こんにちは。

エディオンハウジング広島営業所の上村です。

昨年西日本を広域に渡って甚大な被害を各地にもたらした「西日本豪雨災害」から1年。今年も豪雨による災害を南九州地方を中心にもたらしています。今回は、簡単ですが、土砂災害防止法とその内容により指定される土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域についてまとめます。

まず、土砂災害防止法ですが、土砂災害から国民の生命を守るため、土砂災害のおそれのある区域について危険の周知、警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転促進等のソフト対策を推進しようとするものです。

具体的には、「土砂災害のおそれのある区域」を以下の２つで指定しています。

1.「土砂災害警戒区域」
急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生じるおそれがあると認められる区域であり、危険の周知、警戒避難体制の整備が行われます。

2.「土砂災害特別警戒区域」
急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域で、特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制等が行われます。

それぞれの詳しい内容は、下記のリンク（広島市ホームページ）先をごらんください。

http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1279857970160/index.html

では、広島県では、どれだけの区域が指定されているのでしょうか。

上記グラフは国土交通省のホームページから拝借したものですが、広島県は土砂災害警戒区域の推計数は全国一で49,500件と推計されています。現在のところ、土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域に指定されているのは36,000件を越えたところで、未だすべて指定がすんだわけではありません。この指定された区域の数は、推計数で2位となる長崎県の31,500件をすでに抜いています。

つまり、『私たち広島県民は、土砂災害と隣り合わせのところに住んでいる』ということです。

この大前提をしっかり捉えておかなければなりません。

ご自分の住んでいるところが土砂災害警戒区域なのかは、各家庭に配布されているハザードマップに記載されていますが、広島県のホームページ『土砂災害ポータルひろしま』でも検索できます。

まだ見た事の無い方は、まずはご自分の住所を検索してみてください。

https://www.sabo.pref.hiroshima.lg.jp/portal/map/keikai.aspx

広島市北部を中心に大きな災害となった平成26年夏の豪雨災害は基礎調査や警戒区域等の指定が完了していない地域が多く、住民に土砂災害の危険性が十分に伝わって いなかったことにより、甚大な被害に至ったとの結論が出され、翌年の1月に土砂災害防止法が改正され、土砂災害警戒区域および土砂災害特別警戒区域の指定状況を公表することが義務付けられました。

当時の国土交通省の資料を見ますと、その当時広島県で指定されていた区域の数は10,000件程度であったようです。事実、その当時甚大な被害を受けた地区は、ほぼほぼ区域に指定されていませんでした。現在、法改正から4年が経った現在も36,000件程度とまだまだ道半ば、といったところでしょうか。

そんな中で起こった昨年の豪雨災害。

被災場所が確認できた犠牲者の方のうち、87％の方が、土砂災害警戒区域内で被災されたことがわかっています。

つまり、土砂災害警戒区域の指定はできたが、そこにお住まいの方に『いかに安全でいてもらうのか』の周知が足りていなかった、ということでしょうか。

指定区域内の方は、必ず『被災に対する備え』が必要、ということですね。

もう少し、深堀りしたお話を・・・とも思いましたが、今回はこのへんで。

これからもまだまだ梅雨前線が出張ってくることが考えられます。

『きちんとした備え』を家族で打合せし、状況に対応した行動をとりましょう。