第1回 「任意売却」による不動産売却

みなさん,こんにちは。
弁護士法人みお綜合法律事務所の弁護士 吉山晋市(よしやま しんいち)と申します。
(編集部:プロフィールは下記に表示)
「衣・食・住」と言葉があるように「住まい」は人生と切っても切れない関係にあります。このコラムでは,人生の様々な場面での「住まい」いわゆる不動産に関する法律問題について解説していきたいと思います。

「人生で最も高い買い物」と言われるマイホームの購入

買うときは住宅ローンを払っていくことに不安はなかったものの,購入後,転職や不況によって収入が減少し,住宅ローンの支払いが苦しくなってきたという方。また,マイホームの購入に迷いや不安はあったけど,販売会社の積極的な勧めもあってローンを組んでみたけれど,やっぱり住宅ローンの支払いが苦しいという方。
私がお聞きしている法律相談のなかでもこのようなご相談は思った以上に多いものです。

すでに住宅ローンの毎月の引き落としができない,もしくは引き落としができない月がたまにあるという方は,すでにマイホームが「競売」にかけられる可能性が高い状況です。また,まだ住宅ローンの支払いには困っていないけど,住宅ローンの支払いのために日々の食費や日用品の購入をクレジットカードのリボ払いで何とか凌いでいるという方も,非常に危険です。
そこで,今回は,住宅ローンの支払いが困難になったときにどんな方法があるのかについて解説していきたいと思います。

「アンダーローン」と「オーバーローン」

どちらもあまり聞きなれない言葉かと思いますが,「オーバーローン」とは不動産の実勢価格がそのときに残っている住宅ローンを下回っている場合を言います。逆に「アンダーローン」とは不動産の実勢価格がそのときに残っている住宅ローンを上回っている場合を言います。
「アンダーローン」の場合には,不動産を売却しても売却代金で住宅ローンを完済できるので,さほど売却は困難ではありません。

それに対し「オーバーローン」の場合には,不動産の売却代金をもってしても住宅ローンを完済できず,債務が残ってしまいます。一般的にはこのような状態では,住宅ローンの債権者である銀行は売却しても不動産に設定している抵当権を外すことに同意してくれません。そうすると,抵当権が設定されたままの不動産を購入してくれる第三者を見つけることはまず不可能です。つまり,「オーバーローン」の状態では不動産を売却することすらできないのです。

【不動産の「競売」とは】

住宅ローンを組んだ際,通常は購入した不動産に「抵当権」が設定されます。「抵当権」とは,住宅ローンなど銀行からお金を借りる際,住宅や土地などの不動産に設定する担保権のことを言います。端的に説明すると,住宅ローンの支払いができなくなったときはその不動産を銀行が裁判所に競売の申立をして競売された代金から優先的に弁済,お金を受け取ることができる権利です。
つまり,住宅ローンの債権者である銀行などは不動産に抵当権が設定されていれば,抵当権の実行として裁判所に対して不動産の競売を申し立てることができるのです。
住宅ローンの返済が滞ると債権者である銀行は不動産に設定された抵当権を実行して競売することで少しでも住宅ローンの債務を回収しようとするわけです。不動産の競売でも住宅ローンが残ったとしても競売によってすべてが終わるわけではなく,残った住宅ローンについて債務者の給料債権を差し押さえるなど回収をすることになります。

では,住宅ローンを払うことが難しくなった時,「オーバーローン」の状態の債務者は銀行などになされるがまま競売されるのを待つしかないのでしょうか。
不動産が「オーバーローン」の状態であっても不動産を売却することができる「任意売却」という方法があります。
「任意売却」は競売とは異なり,専門的なノウハウを持った不動産仲介業者が債務者と債権者である銀行との間を取り持ちながら,住宅ローンが残ったとしても不動産を売却することができる方法です。

「任意売却」のメリットとは?

「任意売却」は以下の点で競売よりも債務者にとって大きなメリットがあるといえます。
一般的に競売では入札価格によって売却代金が決まるので市場価格よりもかなり低い金額になってしまうのに対して,「任意売却」では不動産仲介業者がより高い金額で購入してくれる買い手を見つけてくれるので市場価格に近い金額での売却ができます。
また,競売では不動産の明け渡しも裁判所による競売手続きのなかで決まってしまいますが,「任意売却」では不動産仲介業者が売り手である債務者の都合を聞きながら進めることができるので無理のないスケジュールで売却できます。

このように,「任意売却」には競売よりも債務者にとって有利な場面が多いので,住宅ローンの支払いが滞っている,もしくは支払いが苦しくて不動産の売却を検討されている方はぜひ「任意売却」による不動産売却をお勧めします。
(編集部注:実際には、債務者の状況により異なりますので、法律の専門家や任意売却の専門家等に相談することが必要です。まずは、エディオンハウジングにご連絡ください。)

「任意売却」のなかでも不動産業者が直接買い取る場合には、その不動産業者の利益の分だけ売却価格が安くなってしまう可能性があります。不動産仲介業者がリフォームなどのノウハウを持っていて,リフォーム後に実際に居住される「エンドユーザー」である買い手を見つけてくれる業者のほうが安心でしょう。

では,不動産の競売手続きが開始されたら「任意売却」の方法では売却できず,裁判所による競売に身をゆだねるしかないのしょうか。
この点については,次回のコラムで「差押」についても触れながら解説していきたいと思います。

この記事を書いた人

吉山 晋市(よしやま しんいち) 弁護士法人みお綜合法律事務所 弁護士
大阪府生まれ 関西大学法学部卒業
弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士が在籍する綜合法律事務所で,企業法務,不動産,離婚・相続,交通事故などの分野に重点的に取り組んでいる。

弁護士 吉山 晋市

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